地の果てまでいったのに不採用~50代の仕事探し~
大分前に履歴書を送っていた所から連絡があり、急遽面接に行ってきました。
家からはバスを2つ乗り継ぐか、電車で行くか迷いましたが、お天気も良いのでバスに乗ってみました。
駅前始発のバスに乗り、終点まで向かいます。
車窓を眺めながら、ちょっとしたピクニック気分。
30分ほどで到着、ここからまたバスを乗り継く。
国道をどんどん進むと景色は一変して、田んぼ・田んぼ・田んぼが続きます。
のどかなのはいいのですが、お店がない!
目につくのはパチンコ屋さんとラーメン屋さんのみのド田舎。
バス停につくと、田んぼと何やら大きい資材お気のようなものがあり、そこからちょっと先に、今日の面接場所の大きい建物を発見しました。
緊張した面持ちで玄関の扉をくぐりました。
今日の面接は介護施設の事務員募集。
はいるとすぐ感じの良い事務服を着た女性が迎えてくださり、応接室へと案内されました。
途中、チラッっと横目で玄関脇の事務所をのぞき見したが、誰もいなくてガランとしている。
ということは、今案内してくれているこの女性が辞めるので人員募集なのか、あるいは
人を増やすのか、どちらだろう?
程なく面接担当者がやってきた。
60代位の大柄でショートカットが良く似合う快活そうな方。
ハキハキした声で色々尋ねられた。
「通勤時間はどのくらいかかるのですか?」
「1時間弱位です。」
「ご家族は」
「ひとり暮らしです。」
「じゃ、残業はできるわね!」
「はっ?」と驚く私を無視して、一方的に話し始めた。
「うちはね、融通の効く人じゃないと困るの。お休みもシフト制だし、仕事もこれお願いしますと言ったら、すぐスピード感を持ってこなしてくれる人を求めているのです。」
「はぁ~。」もう、この時点で無理を確信してしまった。
呆気に取られる私を尻目にとトドメの質問が発せられた。
「あなたはスピード感を持って仕事をこなせますか?」
「私はどちらかというとのんびりした性格なので、そうおっしゃられるとあまり自信がありませんが、業務内容にもよると思いますが・・・。」
「そう、それじゃね・・・・。まっ、とにかく中を見学してください。」
担当者に案内され施設内部を拝見させていただいた。
中は広くて清潔感もあり、スタッフの方も若い方が多く、皆笑顔でこんにちはと挨拶をしてくれて、すごく感じはよい。
一通り見学を終えてまた、応接室に戻り、何か質問はありますかと尋ねられたので、
「皆さん生き生きと働いていて素敵だなと思いました。仕事の内容についてなのですが、事務ということなのですが、スタッフが足りない時にお手伝いするようなことは
あるのでしょうか?」
「そんなことありませんよ!資格のない人になんか、利用者さんを触らせません!」
どうやら、担当者の逆鱗に触れてしまったようだ。
しかし、これは、どうしても聞いておきたかった点なので、仕方がない。
「すみません、余計な事を伺ってしまって」と謝った。
担当者は作り笑顔で「今日は、ありがとうございました、結果は二三日中にご連絡いたします、お手紙で!」
「はっ、はい。」こりゃ不採用決定!間違いなし!
担当者と事務の女性の満面の笑みに送られながら、施設を後にした。
地の果てのような場所にあるこの施設とは、どうやらご縁がなかったようです。
umeko50代の仕事探しは、まだ続きます。